2020年10月08日

赤坂 日本料理 「花楽」

かなりこのブログをサボっている。
こう言う有事の時こそ、めんどくさい料理を中心に考える。当然、仕込みはさらに時間がかかる。それは暇だろうと忙しかろうとだ。

仕込みをしていると、急に違う食材だったり、たてたメニューと違う料理を思いつくことは日常茶飯事。そんな時は、火を止め、チャリを走らせて仕入れに駆け回ることになる。時間がかかるわけだ。思いついたらやらないと気が済まない。明日にしようとか、全くそんな考えが走ることはない。性格だから仕方ない。
対処の仕方としては、店に早く来て、時間に余裕を普段から持つ以外方法はない。余った時間は、陶器の絵付けをする。

長い言い訳になったが、そんなわけで、なかなか、ブログを書く時間がないのだ。優先順位の問題ではある。料理→陶芸→ブログな訳で…。

もう一つ優先することは、休みに食事に行く。さらに時間が削られる。
コロナ禍になって、グッと外食は減ったが、応援したい店には定期的に行っている。
今日の「花楽」も月一回のペースで。
いつも、お客さんが私たちだけだったが、ここ数ヶ月は、客足が戻りつつある。それでも、半分強程度。ウチもそうだが…。

ここの料理長 中村さんの引き出しの広さ深さに、いつも感動する。今日もだった。

◎菱の実の飯蒸し
鬼菱を使った飯蒸し。忍者の撒菱はこの鬼菱を使ったらしい。食べ物だったんだねー。

◎丹波和え
松茸のズンダ和え伊勢海老と伊勢海老の味噌とリンゴ 栗をパルミジャーノチーズのように擦ってかけて盛り付けてて美しい。もちろん味も食べていくほどに変化があって楽しくもある。栗を使う料理を「丹波〜」と命名するそうな。

今日、イタリア産の栗を使って肉料理を仕込んだから、丹波豚…とか命名するかな

◎鱧のすり流し
白い美しい椀物。鱈やいろいろな白身魚を使ってすり流しを作ったけど、鱧でしかこのように白く仕上がらないとか。これだけでも贅沢なのに、ここに、糸のように細ーく線切りにした松茸をフワッと。香りも美味しい。

◎鰤大根
煮物ではなく、鰤の皮に線を細かく入れて、炭火で皮だけを炙ってカリカリにしたお造りに大根おろしを。

◎秋の庭の盛り合わせ
籠に柿の葉やイチョウの葉を飾りにとプレゼンテーションが美しい。
食用ほおずき、春菊と菊のおしたし、茗荷の酢漬けの蘇(蘇とは、日本の古代チーズのこと)詰め、乾燥させたご飯を揚げた白いかき揚げ、丸十(サツマイモのこと。薩摩藩の家紋)、山椒塩添え

◎松茸の豊年揚げ(米粉で揚げたもの)
紙の袋に入れて手渡しで頂く。食べやすい。ハフハフ。

◎秋鮭の紅葉揚げ
秋鮭に唐墨を挟んで揚げたもの。かぶりつくと中は紅葉色。

◎穴子鍋
花びら茸、アワビ茸、大黒シメジ、畑シメジ、椎茸
ここに、大きな穴子を骨切りして、囲炉裏で煮たものを個々に入れてくれる。なんか、普段と違う。楽しい。

◎鉢物
きぬかつぎ、蕪の糠漬け、揚げ銀杏、無花果 ディーツ 荏胡麻の手前味噌

◎新米の土鍋炊きご飯、赤出汁、香の物(コリンキ、大根、椎茸のたいたん)、ジャコを酒のみで炒って唐辛子を少し、鱧の佃煮、イクラ

◎レモンソルベ(和歌山産の緑のレモンを使って。砂糖は和三盆の白い版の特上白を使って)
と、俵餅…落花生のことを俵豆と言うそうな。俵の形に似ているからとか。その俵豆の葛寄せの事。
上品なソルベは何かが違う。メレンゲにしたわけではなく。ああ…砂糖か。砂糖が違うと、口溶けが違う。

感動でした。
ご馳走様でした。
posted by Yuko at 23:12| 食歩:日本料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月18日

仕入れと仕込み

まだ真っ暗な、早朝というか夜中の4時10分自宅を出る。
チャリを蹴って、根津美術館の脇坂を下る。
すでに、30度近くある。風もない。
築地に出ると、もう、着いたも同然。
勝鬨橋、黎明橋、晴海大橋〜豊洲仲買市場に入る。
市場の北門の時計は、4時45分。
今日は、お盆明けで、荷が少なめ。種類も少なめかな。最近の漁師はきっちり休むからだという。

帰りは、すっかり明るいどころか、あぢぃ(´o`;
北門の守衛さんに敬礼する前の地点に来ると決まって「ああ、お腹すいタァ」と思う。
晴海大橋に来ると、それも忘れる。景色がいいからかな。

築地場外の「丸豊」でおにぎりをゲットする。今日は、鯵の焼きほぐしを。オカズも買って、走る。

六本木の「ケントス」〜「俳優座」間の坂に来ると、いつもため息ついてしまう。重い荷物を積んでのこの坂がキツイ。
ここさえ越えてしまえばもう着いたも同然!

荷を下ろすと、ドット汗が流れる。
先ずは、手を洗って、消毒して、うがいする。

築地で買ったおにぎりとオカズで朝食を済ませる。あれ、最近作り手が変わったのか、オカズが甘めの少し濃い味になってる。家庭で作る料理のように薄味で好きだったのに。どうしても喉を通らない。おにぎりは相変わらず美味しい!

再びチャリに乗って、自宅にシャワーを浴びに帰る。
全て、着替えて、クリーニング屋に寄って、再び店に戻ると、7時30分。

月曜の長い仕込みが始まる。
早くて夕方まで。遅い時は、21時を過ぎる。
月曜は、一週間分のソースとフォンと細かい仕込みを中心に、あとは、煮込み中心の料理を作る。オーヴンも上火も全開だから、クーラーかけてもあぢい。
ベンチプレスもダンベルもいつものコースをこなしてはいるが…。
この体力いつまで続くだろう。

コロナの後遺症の話を聞いた。完治したとしても、内臓疾患が残ったり、匂いや味覚障害が残ったりする場合があるという。めちゃめちゃ怖い。
味覚障害は料理人にとって致命傷だ。
気がつく限りの感染予防をしているが、隙を作ってはならないと思う。

週末はテイクアウトが多い。
週初めは食事をされる方が多い。
とは言っても、半分以下の予約しか取っていないが。

いつも驚かれる。
料理の種類(メインは15〜17種類)がいつもと変わらないからだ。その度言う。
「料理人の意地です」と。
いつも、一つ大きな器に10人分くらい作っているのだが、それを、6人分程度にしたり、数少ないレギュラー煮込み料理は、火入れを続けるからいつもの量を作ったり、工夫しているせいもある。

初めて来た人にも、久々の人にも、「わぁあ!」と、驚いて欲しいし、選ぶのが迷う楽しさを味わって欲しい。
その、「わぁあ!」を、期待して、早朝から頑張るのだ。
posted by Yuko at 07:25| 日記:築地事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月15日

豊洲市場と築地市場

頭から落ちたから、体のどこにもアザさえ無い。
翌日の土曜の朝一で近所の外科に行くと、48時間経たないとCTスキャンを取っても無駄だと言われた。ジワジワ出血していたら、48時間くらいかかるからだと。
気持ち悪くも、吐き気も無いから、多分大丈夫だけど、コブが大きくなったら、血を抜きましょうと。吐き気がしたら、すぐ連絡するか、救急車呼んでくださいとも。
酒も禁止、長湯も禁止。
48時間以上経っても、頭の痛みはもちろんあるけど、ぐっすり眠れるし、なんとも無い。どんだけ石頭なんじゃ!びっくりだわ。

今日も3時40分に起きて、愛車ダホンで豊洲市場に向かう。
昨夜は雨だったから、道路は濡れている。危険だ。ゆっくり今日は行こう!
それでも40分で到着した。

仲買の人々と話をしたら、口々に言うのは、6月は5月より暇だと。
やっぱりね。
経済I氏やI-TO氏が言っていた通り、5月はまだ、協力しようとテイクアウトやお取り寄せとかしたが、解除になって、それもほとんどなくなり、かと言って、友達を誘って即、食べに行く事も出来ない。ましてや、大勢で集まる事もないからだと。

そう言えば、先週の事だ。
共通の知人の話をしていた。
その人は、現在、オーストラリアに住んでいる。仕事はニュージーランド。ニュージーランドがロックダウンになる前日に、オーストラリアの家族の元に戻った翌日、ニュージーランドから、お金が振り込まれた。外国人である自分にまでこの早い対応だと、感動したと言う。どっかの国と大違いだ。
もうすぐ、都知事選挙が始まる。
あああ、ニュージーランドが羨ましい…。

あああ…と思い出しながら、
豊洲を後にして、チャリを走らせる。
さほど暑くもなく、快調。
コロナのせいでチャリを使うことになったが、時間短縮できるし、運動にもなるからと思えば辛くない。

修行時代もチャリで店に通っていた。
その時は交通費をうかせるためだったが、それだと、惨めだから、体のためと思って毎日通っていた。

築地に通う時も重い荷物を持って、めちゃ寒い真冬の雪の中を歩いても、筋トレと思っていたっけ。

暇でも、それはチャンスと思って、いつもよりさらにさらに手間のかかる料理を作る。その繰り返しがスキルアップにつながる。

そんな色々な事を思いながら築地に到着。
久しぶりに、朝ご飯を築地に通っていた頃行っていた場外のカフェで。
ハムサンドイッチとコーヒーで朝ご飯。
「アレ!さっき、サングラスしてたからわからなかったじゃない!今日はいつもより早いねー」と、マスターが肩を叩く。
いつもよりって、二年近く来てないけど。先週みたいな言い方してる。
「また来ます!」と、マスターに声をかけて、また、チャリに乗る。またすぐに寄ろうと思う。

ついでに、八百屋による。
相変わらず、お兄さんとおじさんの間の年頃の八百屋さんは、全て暗算で計算してる。家庭の主婦じゃないのだから、お客さんは、野菜の種類さえ多い。その全て暗算でやってる。ユダヤ人みたいだ!全てが早い。せっかちでもある。感動!

坂道は重い荷物を乗せてはきついけど、そうそう!トレーニングよね!

先週の料理より、大幅にメニューを変えよう!
走りながら、メニューを立てて行くのだ。

しんどい時こそ、追い込むのだ!
posted by Yuko at 14:50| 日記:築地事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする