2022年10月22日

代官山の「ママタルト」のエンさんの命日

4年前の2018年3月に母は亡くなった。コロナ禍前で良かったのだとも思っている。
その7ヶ月後の今日10月22日に、代官山の「ママタルト」のエンさんが亡くなったのだった。

今は、息子さんが「On The Hill」と言うワインバーは、数年前まで、美味しいケーキとおかずのパイを提供する「ママタルト」と言う名店だった。
オーナーで料理人のエンさんの旦那さんで私が殿と呼んでいたMさんは、広告代理店Hの伝説のコピーライターだった。

その殿が近所で蕎麦職人をしていた、今は佐渡で「茂左衛門」(古民家のその建物の屋号が茂左衛門で、佐渡の方言でモゼムと読む)と言う10割蕎麦めちゃめちゃ美味しい蕎麦屋さんのKさんと奥さんのYさんを誘って、うちの店に一緒にいらしたことがある。20年ほど前だったとか。

今日の最後の予約されて入っていらした方が、Kさん夫妻だった。サプライズ登場だった!

インスタグラムで2年ほど前に繋がって、この9月の夏休みには、佐渡までお蕎麦を食べに行ったのだ。
私はkさんのことを、秘かに「キノコ博士」と呼んでいるのだ。キノコにもめちゃめちゃ詳しく、インスタグラムには私にとって未知のキノコを紹介してくれる。

去年送っていただいた天然のなめこ茸は、香りも食感ももちろん味も知ってるなめこ茸とは全く違うものだった。
知らずに食べた人は、ポルチーニ茸だね〜と、言って、なめこ茸だと言っても信じなかったくらいだ。
今年の9月に行った時は、朝から夕方まで山の中で茸狩りをした。めちゃめちゃ楽しかった。友人達が、佐渡に行ったと言うと、金山行った?とか、たらい舟漕いだ?とか言うけど、その度に、山の中にいた。と返事をしていた。

モゼムの夜は、蕎麦のコースで、珍しい食材や、調理法も独特で、佐渡の食材を研究してお酢や醤油まで手作りで、とっても美味しいのだ。
やっぱり、博士だ!
蕎麦は細くて美しく、しばらく見とれてしまう。
手繰ると、喉越しよろしく、和栗のタレで頂いたのだが、今でもあの味を思い出すことができる。

神戸出身の奥様のKさんは、佐渡のことを質問するとなんでも答えてくれる。ガイドブックのような人だった。

その2人が、本日最後のお客さん。土曜のせいか、4時前からテイクアウトのお客さんがいらして、お食事のお客さんもみなさん、6時前からいらして、全て帰られたのが8時半。

エンさんを偲ぶに整ったようではないか。
「今日、エンさんの命日だよ」と言うと驚いていた。
しかも、奥様のYさんのお母様の命日でもあると言う。
すごいなぁ。偶然ではないよね。

献杯して、思い出話をたくさんした。

posted by Yuko at 23:19| 日記:西麻布事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月06日

日本料理「壽修」(西麻布)

10月に入ったのに、まだ、誕生日お食事会に誘われている。
今回で最後のお店は、毎日この店の前を通って店に通っているのに一度も行ったことがない壽修さんへ。

起業家のUさんの招待だ。と言っても、Uさんの誕生日には私が招待するわけだけど。これを口実に食事会は繰り返される。そして、縁が深まる。
食事は楽しい人、ホッと落ち着く人、居心地のいい人としたい。
その繰り返しも、コロナ禍の3年は、ほぼ無くなっている。今日は、貴重な時間だ。
昨日は、胃腸炎になって、薬局に行くにも痛みが強くて静かに静かに歩いて行った。薬が効いて、今朝一番に医者に行って、何とか持ちこたえている。
痛みはなくなったけど、酒はやめておいたほうが良さそうだ。

シャンパンで乾杯した。後はお茶にする。
何とか大丈夫だ。

@蕪の白味噌仕立て
一口含んで、フラッシュバックした。
もう、20年近く前だろうか。広尾に葉山の名店「日影茶屋」の支店があった。ここで頂く、白味噌のすり流しによく似ていたのだ。そのすり流しにノックアウトして週2回くらいランチに通っていた。
広尾の店が閉まってからは、鎌倉の長谷に「魚福」まで遠出した。ここの料理長は日影茶屋の総料理長だった方で、ここの、河豚の白子の白味噌椀をリクエストしては通ったものだ。この店も今はもうない。
ある日、私がリクエストしていた河豚の白子の白味噌椀を間違えて牡蠣の白味噌椀を作ってしまった。「いいや。これも食べて」と椀物2種類いただいて、連れて行った友人達は大喜び。白味噌椀と言っていたが、正確には、すり流し白味噌椀だった。葉山の日影茶屋に行ったらまた、頂けるのだろうか。

Aシマエビ、水菜、菊の和え物
まだ二つしか頂いてないが、丁寧で塩梅がいい。始まりはいいね。期待できる店だ。

B椀物(甘鯛、松茸、賀茂茄子)
私好みの塩梅。お出汁がいい。そして、甘鯛ってこんなに美味しかったのかぁ…。今までも美味しく頂いた甘鯛だったが、特別美味しく感じる。

Cお造り(クエ、鰤、白烏賊)
クエを始めて頂いたのは、唐津の洋々閣だった。その時は、クエ鍋だったが、めちゃめちゃ美味しかったのを今でも覚えている。5、6人での北九州の旅だったっけ。すると、ここの料理長も唐津出身とか。なるほどぅ。

D伊万里牛のイチボ 無花果と菊菜の胡麻和え
胡麻和えがとっても美味しい。イチボのステーキは、美味しいけど普通かな。

E双子芋(里芋)と銀杏
双子芋がとーっても美味しい。

Fノドグロ ツルムラサキ添え
ノドグロは金沢で始めて頂いた。めちゃめちゃ美味しくて。ああ、母と一緒にいただいたのだった。料理は思い出に繋がる。このノドグロもめちゃめちゃ美味しい!

Gご飯、イクラ、香の物、味噌汁
味噌汁が素晴らしい。魚の骨から出汁をとっているのだろう。コクがあって、何とも美味しい。

H最中(餡子、抹茶アイス)
一個じゃなく二つ食べたい!

シンプルで奇をてらった一品は一つもない。どの料理も丁寧で、塩梅が良く、特に出汁が唸るくらい好みの味。日本料理は、椀物を一口いただくとわかる。
シンプルでもいいけど一品でいいから一捻りした料理があると通うなぁ。
最後のご飯は白いご飯でもいいけど、自家製の山椒煮とか、煮たものとかあると嬉しい。ステーキは、やはり、ステーキ屋さんに負けるから、違う料理だといいかも。日本料理屋さしか作れない煮込みの肉料理とか、和え物とか。

とっても美味しいし、大人の空間で落ち着くけど…ワクワクが少し足りない。
posted by Yuko at 23:16| 食歩:日本料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月09日

立ち退きの話

今年の6/15日が立ち退きと5年前から決まっていたのに、大家さんからは何も言ってこない。
うちの店の建物は、昭和31年の二階建てのアパートだ。二階は風呂なしの部屋は幾つかある。一階は店舗が3軒。建て替えたい気持ちはわかるので同意したが、何も決まっていない状態。
昨年11月に呼び出されて、大家さんから確認され6月15日に立ち退いていただきたいし、そのように動いていると再確認された。
なのに、大家さんからは連絡さえない。

7月に入ったし、管理している不動産屋さんに訊いてみた。
不動産屋さんも憤ってる様子。無責任すぎると。
昨年11月にこの建物は売りに出され、所謂、オーナーチェンジ。
すぐに売れたのだが、この西麻布一帯の地主であるお寺と、大家さんとのトラブルがまだ解決してないとかで、地主さんとの問題がクリアにならない限り、売ることはできない。

周りのビルのオーナーさんも同じお寺の地主さん。周りのビルのオーナーさんにも訊いてみた。
うちの店は38年以上店をやっているので、近所の住人さんとは仲がいいのだ。皆さん、何の問題もなく建て替えもしているのだから、うちの大家さんが何かやらかしたんだろうと、近所のビルのオーナーさんも不動産屋さんも推測している。

三軒ある店の真ん中の「鮨まつ」さんは、契約が、定期借款で期限が来たので、8月には引っ越しする。
「角や」とうちは、契約が違うので、出るに出られない。
2階の住人は数年前にすでに契約切れで引っ越し完了している。

1年や2年延長になっても仕方ない。早くはっきりしたいなあ。引っ越しはエネルギーいるし。前を向いて動きたいのに足止め状態はなんとも歯がゆい。
posted by Yuko at 23:39| 日記:西麻布事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする