2007年08月16日

オーベルジュ・ベリナスでの2週間 (その6)

 雨だ。そのせいか今朝は温かく、7時で17℃だ。
 いつも思う。ヨーロッパの雨は濡れない。さわさわと降る。傘がいらない雨が多い。雨に濡れて、レストランの窓から見る下方の川の景色が美しい。

 オーベルジュは泊まり客で満室になった。私は母屋の方に移る。
 ミシューと町に買い物に出かける。ついでに、19日に私がパリに戻るための切符も買う。スーパーマーケットにも行く。ものすごい量の買い物だ。
 今度は工場のような所に着いた。何だろう・・・。白衣に返り血を浴びた人がときどき通る。食肉のと殺場だ。ラム肉を一頭買う。
 瓶とプラスティック類をゴミ捨て場に捨てて、郵便局にも寄って猛スピードで帰る。

 昼食はチキンとエシャロットのサラダ。メインはタリアッテレと牛肉の赤ワイン煮。ここの赤ワイン煮はとってもシンプル。ステーキ用の肉の端をカットしたものを一晩赤ワインに漬けこみ、玉葱をスライスしたものをバターで炒め、肉をワインと一緒に煮込むだけ。
   店ではソースを使うが、家庭で食べる料理はとってもシンプル。だから毎日食べても胃がもたれることが無い。フランスの家庭料理を食べる機会は多いが、レストラン料理とかなり区別しているように思う。
ドゥーブルのシェフの言葉を突然思い出した。
「ユーさん、塩が強くてもいいんだ。10人食べて1人しかうまい!って言わなくてもいいんだ。自分の味を作れ!」と言っていた。東京に帰ったら、久々に「ドゥーブルN」の料理を作ってみようか。きっと、私の味になっているはずだ。

ランチは3組。3人、3人、2人・・・ずーっと雨だ。
またドゥーブルのシェフの言葉を思い出す。私が作ったソースの味見をして、「こうやって身体で覚えていくんだなぁ・・・」って、時々離れた所から呟いていたっけ。
ここのシェフも忙しくなるとワインをあおって勢いをつけて料理を始めている。ドゥーブルのシェフもそうだった。時々呑み過ぎて、私の足元に出刃包丁を落としたりした。その度、飛び上がって抗議した。わけの分かんない事で怒ってたなぁ・・・。

私はフランスとほとんどやり方の違わないシェフのもとで修業したという下地があるから、ここに来てもそれほど戸惑うことが無い。
しかし、先駆者たちは大変だったろうと思う。語学の問題は当たり前でも、包丁の扱い方一つをとっても違うことが多い。東京にあるレストランのシェフ達で嫌な奴もいるけど、ちょっとは見直してあげよう。

母屋に移るため、この部屋を念入りに掃除する。雨は止まない。ミシューとアイロン掛けをする。

夕食前に道路の方までミールを摘みに行く。両手いっぱいになった。夕食のデザートにしよう。新しい花も発見!
夕食はシェーブルチーズをパンに載せ、塩コショウしてトーストしたもの。グリーンサラダに自家製ベーコン、サラダにはトーストしたアーモンドをのせていただく。ワインはアルザスワイン。

営業前に調理場の掃除をする。目に付くところを片っ端から磨いていく。
今夜は5名、一組だけ。
今日の最高気温は低く18℃。昨日の台風でリモージュは水浸し。屋根は壊れる、雷が大木に落ち車を潰したらしい。ニュースは昨日からリモージュの被害状況ばかりだった。
20時。やっと天気が良くなった。夕日が美しい。

私が鍋を片っ端から洗っているとシェフが怒る。キャティにやらせろと言う。面白〜い。イタリアのレストランで働いていた時も、「ユーコ!洗い物はするな!アンナマリーアにさせろ。あなたは働き過ぎだ」と。二人でやれば早く終わるのに。
posted by Yuko at 00:00| ESSAY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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