2017年10月08日

母に会いに行く

母に会いに病院に行ってきた。
少し時間が空いた。夏以来だ。

倒れた時は、認知症気味だったけど、今は、普通の言葉や固有名詞がなかなか出てこない程度のお婆ちゃんだ。

足が腫れてしまっているので、普通に歩くことが出来なくなっている。心臓も弱くなってる。

「今日来るとは思わなかったわ。昨日、あなたのこと話してたの」と遠くからでも私を見とめてニコニコして言うのだ。
ちょうど、昼食の時間だった。
間に合った。

母の車椅子を押して、サロンに行く。ここで、食事を一緒に。
誤嚥するかもと、すべての水分あるものはトロミをつけられている。

気をつけながら、少しづつ持ってきたお寿司を小さくして口に入れると、「おいしいね」と。

かなり時間をかけて食事をした後、爪切りをする。
丁寧にヤスリもかけて、ヒルドイドでマッサージもする。

「綺麗になったね」と、自分の手をかざしてにっこりしてる。
今度は足の爪。
腫れている足の爪を切るのは、十分注意しなければならない。

少しづつ少しづつ、それはそれは時間をかけて、変形した爪を切る。
そのために、いろんな爪切りを持ってきた。今は、使いやすいニッパー型のもあって、助かる。
マッサージもするけど、指の間は腫れもあって、私の指を滑り込ませるのが難しい。慎重に爪のクズも取り除き再びマッサージ。

叔母に電話をかけて、母と話をさせると、声をたてて笑ってる。
その笑顔が見惚れるくらいいい笑顔なんだ。
(この人は、昔からこんな顔で笑ったっけ?)いつも、そう思いながら、いろいろ楽しいことを話す。笑顔が見たいから。

なんども試して、その笑顔に見惚れる。

いつも、3時間くらいすると、もう帰りなさい。遅くなるからと言う。
うんと言って、握手をする。
「また来てね」
「また来るね来月ね」と。
なかなか手を離さない。
「手があったかいね。なんで私の手は冷たいんだろ」これも、いつも言う。

「手を離してくれないと帰れないよ」と言うと、
「手が離れなくなった」と笑う。

その笑顔も見たいから、何度もなんども繰り返す。
キリがないから、何度目かで後ろ髪引かれながら帰るのだ。

母は、どこまでも穏やかで笑顔ばかりだ。



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posted by Yuko at 23:00| 日記:西麻布事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

来月の休みですが…

来月の話ですが…。
◎11月2日の木曜日は翌日金曜が祭日のため、営業いたします!
少々ですが、30分ぐらい遅くまで営業します。

そして11月3日(金)〜6日(月)迄連休させていただきます。
なんだそれ!と、お怒りの言葉が飛んできそうで恐縮ですσ^_^;

ただでさえ休みが多いじゃないか!年間にしたら店は半分しかやってないし。どこよりも営業時間は短いし、どこよりも営業日数だって短い。夏休みも冬休みも休みすぎだし!って、
重々わかってます…はい。

しかーし!
どこよりも仕込み時間は長〜い!
どこよりも誰よりも、店で仕事してる。朝6時半から店が終わるまで。休みの日だって仕込みしてるし。仕入れに走ってるし。

日本にいる時は、仕事をしない日は1日だってない。

ま、大晦日と元旦は、陶芸やってるけど。

仕事が趣味になってるから、私としては、この生活で十分だし、明日死んでも後悔しない。

この11月の連休の2日間だけ東北に行きます。
今も入院している母が元気だった頃は日本中ふたり旅していたけど、母が動けなくなった2年半前からは日本の旅はしていない。

一泊だけだけど、東北に旅することにしました。その東北で仕入れもしようかと思ってます。あとの2日は仕込みです。

営業日数が少ないのは、言い訳させていただくと、それは、いい仕事をしたいからです。
だんだん歳はとります。それは、誰にも平等に。
私だけ、元気であるはずがない。
今日から疲れるわけでもなく、今日から料理を作る時間が遅くなったりするわけじゃない。

そんな当たり前の事をある日ハッと気がついても取り返しがつかなくなる。余裕ある今のうちに休みを多くして、その代わりその休みに充分な仕込みをしたいのです。
大事なのは仕込み時間であって営業時間が一番ではない。

私は、店をしたくて店を出したわけでも、経営者になりたくて店を出したわけじゃない。

「料理を作りたかった」
それでは生きていけないから、店を出した。
だから、玉ねぎの皮むきさえ、ニンニクの皮むきさえ手伝ってもらうこともなく、全て、1人で作り続けている。

そこにこだわって、1人で作って33年半。これからも。

「誰か後継者を作ってよ!」
「弟子を育ててよ!」
何度言われ続けてきたことか。

「それじゃあ、私の料理じゃなくなる」
「それじゃあ、商売になっちゃうじゃない」
その度、答えてきたが、理解してくださるお客さんはそれほど多くないかもしれない。

「頑固オヤジの店」と言われるけど、それでもいいから、自分の美学を貫くのさ。


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posted by Yuko at 18:37| 日記:西麻布事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする